新興企業中心に投資加速=デジタル分野を強化―MS&AD社長

 三井住友海上火災保険を傘下に置くMS&ADインシュアランスグループホールディングスの原典之社長は20日までにインタビューに応じ、「スタートアップ企業への投資を推進する」と述べ、新興企業に対する投資を加速させる方針を示した。注力してきたデジタル分野を引き続き強化するため、2025年度までに新興企業を中心に400億円程度を投資する目標を掲げ、新たな保険商品・サービスの開発やコスト削減につなげる。  同社は18年、本業との相乗効果を目的に新興企業に投資する子会社を日本の損害保険業界で初めて設立。22年3月末時点で74社に対し、計約150億円の投資を行った。  原氏は「スタートアップの知見を生かし、商品に付加価値を付けたい」と強調。海外ベンチャーと提携し、大規模災害時に航空写真を活用して保険金支払いの早期化を目指す実証実験も行っており、23年度中の利用開始を目指す。こうした事例を増やすとともにデジタル技術を活用した省力化を通じ、年間で最大約150億円のコストを削減したい考えだ。  一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて「人材育成を強力に進める」として、データ分析に従事するデータサイエンティストの育成にも力を入れる。専門の研修コースを一定期間受講するなどしたデジタル人材を25年度までに現在の約2000人から7000人へ増やす方針だ。 

[時事通信社]