「女性蔑視」「多様性に反する」=森氏発言、五輪スポンサーも批判―消費者から抗議

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言したことに対し、スポンサー企業からも「女性蔑視」「多様性に反する」などと批判が相次いでいる。新型コロナウイルスの影響で延期された東京大会の開催に望みをつなぎ、各社は昨年末にスポンサー契約延長に合意したばかり。消費者から抗議を受けた企業もあり、言葉を選びながら産業界も声を上げ始めた。  「オリンピック・パラリンピックの精神から言って非常に不適切な発言だ」。JR東日本の深沢祐二社長は9日の定例記者会見でこう語った。女性が従業員の9割を占める日本生命保険は「女性蔑視とも捉えられ、男女平等がうたわれている精神にも反する表現で大変遺憾だ」と表明。NECは「東京大会のビジョンである『多様性と調和』に反する」と指摘した。  森氏の発言で消費者から抗議を受けた企業もある。あるメーカーはホームページ上に「辞めさせろ」「スポンサーとして圧力をかけるべきだ」といった意見が寄せられていると打ち明ける。  森氏は問題となった3日の発言を翌日撤回した。組織委は7日、発言を「不適切」とした上で、「(性別など)あらゆる面での違いを尊重し、たたえ、受け入れる大会を運営する」との公式声明を発表。8日夜にはスポンサー向けに組織委の見解を伝える説明会を開き、意見を聞いた。遺憾の意を表明する会社が相次いだが、こうした動きに「ガス抜き」の印象を受けた企業も少なくない。  新型コロナ禍で業績が悪化する企業も出る中、契約延長に伴う追加協賛金は総額約220億円に上る。「森氏に協賛しているのでなく、東京大会を応援している」(大手企業)と、スポンサー辞退をほのめかす声は出ていない一方、失言によるイメージダウンが強く懸念されている。  各社は森氏の進退について踏み込んだ言及は避けながら、「進退は理事会で決めるべきこと」(複数のスポンサー企業幹部)と組織委の対応に注目している。 

[時事通信社]