少額短期保険に参入=顧客との接点拡大―日本生命の清水社長

 日本生命保険の清水博社長は6日までにインタビューに応じ、低額の保険料でニッチ分野の被害に保障を提供する「少額短期保険」に参入する方針を明らかにした。2021年度から3年間の中期経営計画期間中に専門子会社の設立を目指す。顧客との接点を広げ、本業の生命保険事業の拡大につなげる狙い。  清水氏は「顧客ニーズをカバーしていない市場がまだあり、人口減少社会でも中長期的に成長できる」と強調した。  少額短期保険は、ペットの病気やスマートフォンの破損など、従来の保険商品では網羅し切れていない分野をカバーしている。新興企業を中心に参入が相次ぎ、14年に640億円だった市場規模は19年に約1.7倍の1074億円に拡大。清水氏は「これまでアクセスできなかった顧客を獲得することで、グループ内での相乗効果が期待できる」と話す。  また、全国5万4000人の営業職員に配布しているスマートフォンなどを活用しながら、対面と非対面の営業手法の融合を進める考えを示した。新型コロナウイルス感染防止のため直接会えない場合は、オンラインでの商談などを併用する。  清水氏は「営業職員が自宅や職場を訪問しづらくても、コロナ前の業績を上回ることができる」と自信を見せた。 

[時事通信社]