ゆうちょ銀行、決済10社と連携停止=ペイペイなど5社でも被害―不正出金

 NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った銀行口座からの不正出金が全国で相次いでいる問題で、日本郵政傘下のゆうちょ銀行は15日、即時振り替えサービスの提携先12社のうち、ドコモ以外にも5社で被害が発生していると明らかにした。ソフトバンク系の大手「PayPay(ペイペイ)」が含まれる。被害拡大を防ぐため、ゆうちょ銀は同日までに10社について新規口座登録とチャージ(入金)を停止した。  キャッシュレス決済をめぐる不正出金問題はドコモ以外の大手事業者に波及した。  新たに不正出金が判明した5社のうち、ペイペイでは、今年1月以降に17件、計141万円の不正出金が確認された。新興企業のKyash(キャッシュ、東京)でも3件、計23万円の被害が見つかった。  入金を止めたのはドコモなど3社のほか、LINEの「ラインペイ」、「PayPal(ペイパル)」、「楽天エディ」など。ドコモ口座では、被害発覚後に銀行との連携を止めなかった既存口座からの不正出金が確認されており、早急な対応が必要と判断した。  決済事業者側はゆうちょ銀と協議の上、被害者に全額補償する方針。  ゆうちょ銀は、6社の被害額や発生時期、ドコモ、キャッシュ以外の社名を明らかにしていない。ペイペイは取材に対し被害発生を認めた。提携先12社・サービスのうち、楽天エディのほか「プリン」、「ゆめか」、「ファミペイ」、「ペイビー」では被害が発生していないという。より強固な認証を導入済みのファミペイなど2社はゆうちょ銀からの入金を続ける。  高市早苗総務相は15日の閣議後記者会見で、ゆうちょ銀口座での被害拡大を受け「不審な出金がないか幅広く確認しないといけない」と、預金者に警戒するよう呼び掛けた。  一方、キャッシュは15日夜、提携先のイオン銀行でも1件、30万円の不正出金を確認したと発表。同行口座の新規登録と入金を停止した。 

[時事通信社]