日本代表、1次突破で215億円=サッカーW杯の経済効果

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表の奮闘に国民が沸く中、経済効果への期待も高まっている。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、日本が1次リーグを突破した場合の経済効果は215億円と試算。サッカー観戦やグッズ売り上げなどで消費が押し上げられると見込む。  永浜氏は、日本代表が1次リーグを突破しベスト16になった2010年の南アフリカ大会と今回大会について「事前の期待は低かったが、躍進した点で重なる」と指摘する。南ア大会の際は、Jリーグ観客増員やグッズ売り上げなどの直接的効果と観戦時の飲食交通費を含む波及効果が総額215億円規模に上ったと説明。今回も決勝トーナメントに進出すれば、同程度の効果が得られると話す。  過去のW杯の経済的影響を詳細に分析する三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、コロンビアに勝利した初戦翌日の日経平均株価が大幅反発したのはW杯効果と指摘。「景気は文字通り気持ちが大事。国民の関心が高いスポーツは元気を与え、スポーツ関連を中心に消費や投資が活発になる」と解説する。  一方、SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは「今回は海外での大会なので、来日外国人による経済効果はなく、自宅でのテレビ観戦で消費が冷える面もある」と話す。ただ、3氏とも日本代表が「期待以上の快挙」を果たした場合は効果が増すとの見解で一致。宅森氏は「初のベスト8以上なら効果は大きい。最もいいのは優勝。成長率が1%程度高まる可能性がある」と語った。 

[時事通信社]